2.4.4 絶対音符名

これまで我々は常にピッチを定義するのに \relative を使ってきました。これはたいていの音楽を入力するのに最も容易な方法です。しかしながら、ピッチを定義するための方法がもう一つ存在します。絶対モードです。

あなたが \relative を省略した場合、LilyPond はすべてのピッチを絶対値として扱います。c' は常にミドル C を意味し、b は常にミドル C の 1 音下の音符を意味し、g, は常にヘ音記号の譜表の最下段の譜線上にある音符を意味します。

{
  \clef bass
  c' b g, g,
  g, f, f c'
}

[image of music]

今度は 4 オクターブの音階があります:

{
  \clef bass
  c, d, e, f,
  g, a, b, c
  d e f g
  a b c' d'
  \clef treble
  e' f' g' a'
  b' c'' d'' e''
  f'' g'' a'' b''
  c'''1
}

[image of music]

見て取れるように、ト音記号に旋律を書く場合は多くのクォート ' 記号が使用されます。モーツァルトからの以下の楽譜の断片について考えてみます:

{
  \key a \major
  \time 6/8
  cis''8. d''16 cis''8 e''4 e''8
  b'8. cis''16 b'8 d''4 d''8
}

[image of music]

これらすべてのクォート記号は入力ファイルを読みにくいものにして、エラーの原因になります。\relative を使うことで、上の例はずっと読みやくす、入力しやすくなります:

\relative c'' {
  \key a \major
  \time 6/8
  cis8. d16 cis8 e4 e8
  b8. cis16 b8 d4 d8
}

[image of music]

\relative モードを使っているときにあなたがオクターブ記号 (',) を付け間違えた場合、すぐにわかります – 多くの音符が間違ったオクターブに譜刻されます。絶対モードを使っているときに、ある付け間違いをした場合、はっきりとせず、見つけにくいです。

しかしながら、絶対モードは大きな音程を持つ音楽に対しては有用であり、LilyPond ファイルをコンピュータで生成する場合は非常に有用です。


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LilyPond — 学習マニュアル

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