4.4.2 システム間の垂直方向の間隔

システムの間隔は 4 つの \paper 変数によって制御されます:

\paper {
  between-system-space = 1.5\cm
  between-system-padding = #1
  ragged-bottom=##f
  ragged-last-bottom=##f
}

平らなシステムがページ 2 つだけ配置される場合、垂直方向の間隔の取り方の手際は良くありません: システムの 1 つのページの上端に配置され、もう 1 つは下端に配置され、2 つのシステムの間には大きな隙間が生じます。このような状況を避けるには、システムの間に挿入されるスペースを制限します。制限を行うには、\paper ブロックの中で page-limit-inter-system-space 変数に #t をセットします。紙面変数 page-limit-inter-system-space-factor はシステム間のスペースをどれくらい増加させるかを決定します: 例えば、この変数の値が 1.3 であれば、システム間のスペースは ragged-bottom を真にセットしたページでのシステム間スペースよりも 30% 大きくなります。

(訳者: ページにシステムが 2 つしかない場合、通常は 1 つ目のシステムはページの上端に、2 つ目のシステムはページの下端に配置されます。ragged-bottom を真にセットすると、2 つ目のシステムは 1 つ目のシステムのすぐ下に配置されます。)

以下の例でシステム間のスペースが制限されていなければ、ページ 1 の 2 つ目のシステムはページの下端に配置されます。スペース制限を有効にすることによって、2 つ目のシステムは 1 つ目のシステムの近くに配置されています。page-limit-inter-system-space-factor1 に設定することによって、最後のページのように、ragged-bottom を真にセットしたページと同じシステム間スペースになります。

(訳者: 上の記述と下のコードには食い違いがあります。コードでは、page-limit-inter-system-space-factor1.3 に設定されているので、システム間スペースは 30% 増しになります。また、page-limit-inter-system-space が真にセットされているので、1 ページ目も 2 ページ目と同様に 1 つ目のシステムのすぐ下に 2 つ目のシステムが配置されます。)

#(set-default-paper-size "a6")
\book {
  \paper {
    page-limit-inter-system-space = ##t
    page-limit-inter-system-space-factor = 1.3

    oddFooterMarkup = \markup "page bottom"
    evenFooterMarkup = \markup "page bottom"
    oddHeaderMarkup = \markup \fill-line {
      "page top" \fromproperty #'page:page-number-string }
    evenHeaderMarkup = \markup \fill-line {
      "page top" \fromproperty #'page:page-number-string }
  }
  \new Staff << \repeat unfold 4 { g'4 g' g' g' \break }
                { s1*2 \pageBreak } >>
}

[image of music]

参照

コード断片集: Spacing


LilyPond — 記譜法リファレンス

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